2017年11月11日土曜日

「ソニックフォース」クリア後の感想


※この記事はネタバレを含みます。


こんにちは、ヒカゲです。

ソニックフォースが日本でも発売されまして、ゲオまで走って買ってきました。
それで発売日の昼と夜にやってクリアしましたので、とりあえず感想を書いておこうと思います。
ちなみにクリアしたというのはエンディングまで見たということです。エクストラステージはまだ全部やっていないのと、収集要素もあまり集めていません。
クリア時間は4時間くらいかなと思います。3、4時間くらいで皆さんクリアされてるようです。
以下は私個人の意見なので、もちろん個人差があります。そしてレビューみたいな感じになってますけど、私はただのファンであってプロのレビュアーではないので、気に食わなくてもキレないで気楽に読んでください(笑)。



まず全体的に見て、「微妙」でした。
めちゃくちゃ酷いわけではないのです。しかし、めちゃくちゃ面白くもないです。
もしもレビューサイトみたいに点数を付けられるならば、私なら10点満点中6点くらいです。
実際のレビューサイトはまだあまり見てないですが、一番低いので4点というのを見ました。プレイする前は「ええ~、嘘だろ……」と思いましたが、やってみるとちょっと4点を付けたくなっちゃう気持ちもわからないではないというのも辛いですね(笑)。

ここからは要素ごとに分けて見ていきます。


①ストーリー


悪くはないが良くもないという感じでした。
今作は「シリアスで燃えるストーリー」を売りにしています。確かに、最近の他のソニックシリーズよりはいくらかシリアスに見えます。でも正直ゲームをやっていてそこまで変わったような印象はなかった気がします。私の中では、ソニックアドベンチャー2の方がシリアスさでは上です。今回はどちらかといえば、演出によってシリアスな雰囲気を作り出してる感じがあったかなあ……。それと、ストーリーの大部分が映像ではなくワールドマップの会話で進んでいたというのも少し残念なポイントでした。

ストーリーの内容自体も、基本的に「世界が征服されたからそれを取り戻す」っていう、シンプルなものでした。わかりやすい話ではありますが、つまらないと言えばつまらない気がします。全体的にあっさりしすぎて、いつの間にか盛り上がっていつの間にか終わってた……みたいなこともあります。「え?もう終わっちゃったの……?」みたいな感じです。

良かったところは、最近ストーリーに関わらないどころか出演すらしていなかったキャラが、ちゃんとストーリーに関わった上で結構いっぱい喋ってくれたところです。特にナックルズなんかはまさかの大隊長ですし、いっぱい出てきてくれて嬉しいですよね。

残念だったのは、その他のキャラクターの扱いについてです。このゲームでは人気キャラが敵味方問わず集結しているというのもまた売りのひとつですが、 出てきても「こいつ出てくる意味あったのか!?」みたいなキャラが若干います。特に気になるのが所謂エッグマン軍として登場する強敵たち。シャドウ、カオス、メタルソニック、ザボックの4人は今回エッグマンの仲間としてソニックに立ちはだかります。彼らは実はエッグマンの仲間である新キャラ・インフィニットがファントムルビーという石の力で生み出した幻なのですが、この4人全員と戦うことになるのかと思いきや、実際にゲームの中でボスとして戦うことになるのは、このうちザボックとメタルソニックだけです。残りの二人はカットシーンの中で(しかも攻撃一発で)あっけなくやられてしまいます(ストーリー終盤では全員わらわら湧いてくるのですが)。シャドウやカオスと戦うのを楽しみにしていたのに、これでは少し残念です。また、ソニックの仲間であるレジスタンス軍のキャラクターも、ただ「いっぱいいた」というだけで、別にいてもいなくてもあまり変わらないような扱いのキャラもいたように思います。ゲーム中でチャーミーが何回喋ったでしょうか?

それと、様々な設定の詰めが甘いような印象があります。例えばファントムルビーについてですが、ソニックマニアではエッグマンが地面から掘り起こしたそれをそのままもしくは機械に組み込んで利用していますし、ソニックチャンネルなどで公開されているソニックフォースの漫画の中には、エッグマンがたまたまファントムルビーを拾う様子が描かれています。しかし、ゲーム内では「試作型」と呼ばれるものがあることから、エッグマンが自らこれを作ったようにも見えます。元から存在したものなのか、エッグマンによって作られたものなのか、一体どちらなのでしょうか? 拾ったファントムルビーを改造したという見方もできるかもしれませんが、何にせよはっきりしません。クラシックソニックがどこから来たのかということについても発売前から話題です。ソニックジェネレーションズに登場したクラシックソニックは「過去のソニック」という扱いですが、今回は「異世界から来たソニック」ということになっています。しかしこの二人のソニックは同一人物として扱われています。おそらく設定が変わって異世界から来たということになったのでしょうが、少し混乱してしまいます。これらはとても細かいことなので気にするまでもないかもしれませんが、少しストーリーをややこしくしているように思えます。

他にもストーリーには少し不自然に思えるところがあります。どうして、出会ってまだ少ししか経たないソニックとアバターの絆がそんなに強いのでしょうか? ほとんど会話もしてないし、お互いのことをちっとも知らないというのに、その二人の友情ですごいパワーが生まれるというのはなんだか不可解です。もちろん、こうでないとこのゲームが成り立たないというのはわかっています。しかしそれでもやはり「可笑しい」と感じてしまうのです。友情なら(現実世界で言えば)25年もの長い間ともに冒険してきたテイルスとの方がずっと強いはずです。ソニックが会って間もないアバターくんを「相棒」なんて呼ぶのをテイルスが見たら嫉妬で憤死するんじゃないかと思うのは私だけでしょうか。ソニックとアバターと言えば、一番おかしいと感じたのはインフィニットが作った虚無空間と呼ばれる空間に二人が閉じ込められるシーンです。これはピンチだ! と誰もが感じたのではないかと思いますが、なんと二人はダブルブーストを使って数十秒で虚無空間を抜け出してしまいます。「え? 虚無空間って何だったの???」と思わざるを得ません。

テイルスと言えば、彼がクラシックソニックと出会ったあと、どうして隠れ家に戻るなりして仲間に連絡しなかったのかと不思議に思います。連絡を取っていれば、ソニックを探して無駄に歩き回る必要も無かったのに…と思ってしまうのです。

最後に、PS4版では(他のハードについては持ってないのでわかりませんが)すべてのカットシーンでゲームプレイの録画や配信ができません。なので、まずカットシーンに入るたびに録画停止と再開の通知が出てくるのがうるさいです。これは本体の設定で通知をオフにすれば一応解決します。しかしそもそも、録画などを禁止する必要があるのでしょうか。「シリアスで燃えるストーリーだから自分で買って見ろよ」ということなのでしょうが、最初のシーンから禁止するというのは少しやりすぎに感じますし、カットシーン以外は大丈夫なので、アクションステージを見ればなんとなくストーリーはわかっちゃうのではないかと思います。


②ゲームシステム


本作の目玉はアバターのカスタマイズですが、これはなかなか楽しいです。コスチュームはかなりたくさんあって個性的な自分だけのアバターを作れますし、普通にプレイしているだけで簡単に新しいコスチュームを手に入れられるので、やりこまなくても十分楽しめます。オンライン要素で他の人のアバターを見ることができるのも楽しいです。欲を言えば、もう少し体のパーツ(目とか)の種類が多かったら良かったなーと思います。

オンライン要素では今言った通りアバターを他人と共有することができます。具体的には、他人のアバターを借りたり、救出したりすることができます。アバターを借りるレンタルアバターシステムを使えば、武器であるウィスポンも2種類になるので便利です。しかし、別のオンライン要素であるSOSミッションはそこまで面白いものではありません。SOSミッションには3種類あって、二つはアバターをレンタルしてステージをクリアするもの、もう一つはアバターを救出するものですが、前者の二つは、ただ他人のアバターを使って一度やったステージをもう一度クリアするというだけで、他人のアバターを使うという以外には何の違いもありません。同じステージを何度も繰り返しやるだけです。これは楽しいでしょうか?

同じステージを何度も…と言えば、ステージに隠されている 特殊なリングもあります。最近のソニックシリーズではステージの中に五つのレッドスターリングが配置されており、集めるといいことがあったりしますが、本作にもそれは健在です。しかし、今回はそれを全部集めると、ナンバーリングという新たなリングが現れます。これは、決められた順番通りに五つすべて集める必要があります。それをクリアすると、さらにシルバームーンリングというのが現れます。これは制限時間内に集めなければなりません。これを集めるとようやくコンプリートです。しかしそんなにリング集めが好きですか?(笑) コンプリートまでに最低3回はステージをクリアする必要がありますし、リングを探したり取るのに時間がかかることもあります。少し面倒です。

本作では難易度を設定でき、ノーマルかイージーを選択できます。これは発売前から噂のように聞いてましたが、どうせこういう機能を搭載するならもっと積極的にアピールするべきだと思います。世の中には「ソニックなんて速すぎて意味わかんない!」と言っている人がそれなりにいるのですから! そういう人も「ソニックやってみたい」と思えるように宣伝しないとダメですよね。


③操作性


あまり良くありません。特にクラシックソニックです。加速しにくく減速しやすいので、とても重く感じます。そして、水平な地面なのにスピン状態よりも普通に走っている方が減速しやすいときがあります。これは少し変です。メガドライブのクラシックシリーズやソニックマニアなどと全く同じ挙動にした方がずっとマシだと思います。

モダンソニックやアバターのステージはまだいいです。ある程度スピード感もあります(個人的にソニックはもう少し速くてもいい気がしますが)。しかし、ホーミングアタックしたい方向を上手く向いてくれなかったり、反応が悪かったりしてイライラしてしまうことがありました。それと、アバターやブーストゲージが切れたときのソニックには、加速するための手段がスライディングしかありませんので、走り出すときは少しノロノロしてあまり好きではありません。助走をつけないとスピードが出ないので、特に小さい足場を渡るときなんかは操作しにくいです。もっとも、これはブーストできるソニックのゲームに共通することですが……。


④レベルデザイン


とにかく短いです。ほとんどのステージは大体2分もあればクリアできてしまうので、あっという間で盛り上がりに欠けます。「よーし、ノッてきたぞー」とか思ったくらいでステージが終わってしまうのです。私はソニックワールドアドベンチャーの昼ステージが好きなので、3~4分くらいの長さがちょうどいいと感じるのですが、2分では物足りないです。短い分、何度もプレイするのは楽ですが、やりたいことが無くなってしまったらそんなに何度もやろうとは思いませんよね。

ステージ自体も、ダメダメとまではいかなくともあまり良くはありません。基本的にまっすぐで、ときどき段差とかイライラするギミックがあって、たまに分かれ道があります。あまりやっていて楽しいという気持ちになれるところが無いです。例えばアクアロードなんかは、ステージのほとんどがウォータースライダーでただ流されるだけなので、気持ちよくないし楽しくもないです。それとちょっと酷いと感じたのは、所見殺しみたいなトラップがたまにあるということ。例えば、キャピタルシティのスタート直後、とりあえずまっすぐ進むと落ちます。まあワイヤーでつかめるところに気づけばいいのですが、普通スタート直後に道が途切れてるとは思いませんし、走っていればあっという間に通り過ぎてしまいますから、すぐに気づいて反応しなければなりません。それと、メトロポリタンハイウェイには上手く操作しないと曲がれないカーブがあります。他のステージにはこういうのは出てきませんし、カーブは大抵自動的に曲がってくれますから、ここも自動的に行ってくれると思っていると落ちてしまいます。また、直線でときどき登場するレーザーを撃ってくるロボットもやっかいです。というのも、プレーヤーはロボットの攻撃前の動きを見てレーザーを避けなければなりませんが、その動作がかなり短いのです。すごい反射神経があれば大丈夫かもしれませんが、ここも覚えなければ難しいです。最近のブーストできるソニックシリーズは「覚えゲー」と言われますが、アクションゲームなのですからあまり積極的に覚えゲー化するというのはどうかと思います。覚えるだけのゲームをやりたいなら別にソニックをやる必要はないでしょう。

そして、奥に進む3Dのエリアと横スクロールのエリアとの比率がやっぱりイマイチな感じがします。クラシックソニックのステージは全部横スクロールですし、モダンソニックやアバターのステージはそんなに横スクロールが多くなくていいと思うのですが、結構多いですよね。アバターのステージの中にはそのほとんどが横スクロールというものもあります。「せっかく3Dのゲームなんだから自由に動かしたい」っていうような意見は結構あるみたいです。

もう一つ私が良くないと思うのは、ギミックがときどき見えにくいことです。例えばスペースポートの終盤でレールを滑っていきますが、ところどころに設置されているトゲがかなり見えにくいのです。スペースポートは暗めのステージですし、例えばトゲが赤く光るとかそういう対策があってもいいのではないかと思います。


⑤グラフィック


グラフィックは素晴らしいと思います。とても美しいですし、60FPSの滑らかな映像で楽しめます(Switchを除く)。特に言うことないです。


⑥音楽


3分の2くらいは好きですが残りはあまり好きではありません。ただしこれは個人的な好みによりますからあくまで私の感想です。

本作では、3つのプレイスタイルごとに音楽のジャンルが分けられていますが、私があまり好きになれないのはクラシックソニックのBGMです。クラシックソニックのステージではチップチューンを意識した音楽が使われていますが、ステージが3Dの綺麗なグラフィックで作られていますから、見た目の雰囲気と音楽の雰囲気とはうまくマッチしていないような印象を受けます。音楽にはあまり奥行きが感じられず、それと3Dのステージとのギャップがあります。ソニックCDやソニックマニアでは2Dのグラフィックと(なんと表現したらいいかわかりませんが…)普通の音楽で上手くいったのですから、フォースでもわざわざクラシック感を出すためにチップチューンにする必要は無かったのではないでしょうか? 特にグリーンヒルやカジノフォレストではドラムにメガドライブのサンプルが使われていますが、私はこのメガドライブの音でクラシックっぽさを出すというのが好きになれません。ちなみにこの方法はソニック4でも使われましたが、私はそのときも同じことを思いました。

モダンソニックの音楽はかっこいい曲が多いです。しかし、どの曲にも同じようなシンセの音が使われていて、少しつまらない感じがします。アバターの音楽はとても好きです。ステージごとに個性がありますし、かっこいい曲が多いと思います。ボーカルが入ってるというのもいいですよね。

メニュー画面などで流れるオーケストラやエンディング曲はとても好きです。ずっと聴いてられます。
それと、シャドウストーリーの音楽はかなりいいです。ソニアド2やシャドウ・ザ・ヘッジホッグの音楽のリミックスが使われていますから、ソニック好きは嬉しいです。

最後に何といってもインフィニットのテーマソングがかっこいいですよね。ゲーム中ではあまり聴けないのが残念。サントラ買いましょう。


⑦ボリューム


少ないと思います。しかしやりこみ要素をやるならばまだいくらか遊べます。
ストーリー自体は前述の通り3時間でクリアできてしまいます。ステージも短く、ストーリーの内容もあまり濃いとは言えませんから、物足りなく感じます。

しかし、アバターのコスチューム集めやカスタマイズ、リング集め、Sランク獲得、そしてミッションを楽しめればプレイできる時間はかなり増えると思います。ミッションは、ゲーム中で条件を達成すると報酬がもらえるという要素ですが、それなりに数があります。また、オンラインのクリアタイムランキング機能があるので、タイムアタックで世界一を狙えばもっと遊べるはずです。こういったやりこみ要素に興味がない人にはつまらないゲームです。


⑧難易度


基本的に比較的簡単だと思います。ただし後半のステージは多少上手くやらないといけない部分があるのと、エクストラステージやDLCのシャドウストーリーは若干難しめになっているので、チャレンジしがいがあると思います。全体的に見てちょうどいいのではないでしょうか。高難易度を求めるプレイヤーには向きません。逆にイージーモードがあるので初心者や苦手な人でも気軽に遊べてよいと思います。


全体的には、最初に書いた通り微妙。平均的なゲームでした。普通に楽しめますが、それ以上のものは無かったように思いました。
なんとかもう少し上手くやってほしかったですが、少し残念な結果になってしまいました。次回作に期待したいところです。
最近は「モダンソニックに2D(横スクロール)要素はいらねえ! 3D増やせ!」という人もよく見かけますし、私も完全3Dのソニックがあったらやりたい気持ちなので、ちょっとそういうのも期待しちゃいますが、果たしてどうなることやら……。既に次回作のプロジェクトは始まっているのではないでしょうか? まだわかりませんが、気長に待ちましょう。

というわけで、今回はこの辺で!

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